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導入広がる認知症の「事故」保険 被害者救済、自治体が補完

高井隆一さんの父親が電車にはねられて死亡したJR共和駅の事故現場付近。父親はホーム先端のフェンス扉を開けてホームから下りた=愛知県大府市で2016年3月1日、大竹禎之撮影

 神戸市は4月から認知症の人が第三者に損害を与える事故を起こした際の救済制度を始める。こうした事故に対して何らかの救済策を導入する自治体は約1年前から急速に広がり、民間の保険会社でも認知症の人に対応した保険商品発売が相次ぐ。認知症の人の「事故」をめぐる保険の動向を紹介する。【野口由紀】

JRでの訴訟きっかけに

 「父はきっと人の流れに乗って、この有人改札を通り抜けて電車に乗って隣駅まで行ったと思うんですよ」。愛知県大府市のJR大府駅の改札で高井隆一さん(68)は悔しげな表情で語る。高井さんは認知症の人が何らかのトラブルを起こし、損害を他者に与えた場合、家族が責任を負うべきかどうかが大論争になったJR認知症鉄道事故の遺族だ。

 認知症だった父(当時91歳)は2007年12月、同居していた母がまどろんだわずかな間に駅近くの自宅から1人で出掛け、隣の共和駅の線路内で列車にはねられ、死亡した。

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