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第103回全国高校野球選手権

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悲願へ聖陵

春再び 第91回選抜高校野球/上 新チーム結成 勝負強さが持ち味に /愛媛

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背水の陣で臨んだ愛媛県第3代表決定戦の今治西戦で、序盤からチーム力を結集して得点を重ね勝利をもぎとった松山聖陵ナイン=松山市市坪西町の坊っちゃんスタジアムで2018年10月14日、遠藤龍撮影 拡大
背水の陣で臨んだ愛媛県第3代表決定戦の今治西戦で、序盤からチーム力を結集して得点を重ね勝利をもぎとった松山聖陵ナイン=松山市市坪西町の坊っちゃんスタジアムで2018年10月14日、遠藤龍撮影

 <センバツ高校野球>

 2年連続2回目のセンバツ出場をつかんだ松山聖陵。2016年夏に甲子園初出場以来、春夏通じ3回目の甲子園で目指すは甲子園初勝利。悲願成就に向けて動き出した新チームの軌跡をたどった。【遠藤龍】

 昨夏の愛媛大会。センバツ初出場を果たし夏の優勝候補と目されたが、まさかの初戦敗退で7月半ばに早すぎる夏の終わりを迎えた。試合後、ベンチ裏で泣き崩れる先輩から、1年生ながら正捕手で出場していた岸田明翔捕手は悲願を託された。「春も夏も甲子園に行け」

 新チームの結成は早かった。翌日にはミーティングが開かれ、「来年は絶対優勝しよう」と誓い合った。誰よりも甲子園への執念が強い根本大蓮投手(2年)が主将に選ばれた。

 発足当初の新チームには公式試合の経験がある選手はほとんどいなかった。昨春のセンバツは折田玲選手(2年)が途中出場したのみ。昨夏の愛媛大会では岸田捕手がスタメン入りした以外はベンチやスタンドから先輩たちの姿を見つめた。2年連続の出場だが実質は全くの新チーム。足りないところだらけだった。

 8月中旬から県外遠征を始めたが、連日10点以上の点差で敗れた。打撃、守備とも他校との差が目に見えて分かった。「個々の課題を潰そう」と各選手がポジションごとに練習を組み、徹底的に課題に取り組んだ。

 迎えた秋の県大会。中予地区予選、本大会1回戦をいずれも七回コールドで勝ち上がり、夏の練習が着実に結果として表れた。

 準々決勝の今治北戦でも序盤から優位に試合を進めたが、6点リードで迎えた八回表、エース根本投手が突然崩れた。同点に追いつかれて2死一、三塁。逆転のピンチで、大飛球をセンター折田選手が懸命に追いかけ好守。岸田捕手がサヨナラ本塁打を放つなど、逆境をはね返す「勝負強さ」がチームに生まれ始めた。

 準決勝の聖カタリナ戦は七回コールドで完敗したが、チームの心は折れなかった。四国大会出場に向け後がなくなった第3代表決定戦の今治西戦は一回2死から集中力を見せ、一気に5点先取。愛媛3位にすべりこんだ。

 大会を通じ、何度も苦境に立たされながらもぎりぎりのところで踏みとどまり、チャンスをものにしてきた松山聖陵ナイン。「3位からはい上がろう。下克上だ」。選手たちに刻まれた強い気持ちは、四国大会で花開くことになる。

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