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500年続いた祭事「久野原の御田」終止符 過疎進み最後の上演へ 和歌山

「久野原の御田」を披露する演者たち=和歌山県有田川町久野原の岩倉神社で2015年2月11日、同町教育委員会提供
久野原地区の位置

 和歌山県有田川町久野原(くのはら)地区で、室町時代から約500年間続いてきたとされる伝統舞踊が今月11日の上演で終止符を打つ。過疎・高齢化による担い手不足が理由で、住民らは思いを込めて最後の練習に取り組んでいる。近畿で最も高齢化が進む和歌山県では、平成に入って以降、国や県指定の無形民俗文化財の祭りや踊り8件が既に途絶えている。

     同地区の岩倉神社で2月に奉納される「久野原の御田(おんだ)」(県無形民俗文化財)。五穀豊穣(ほうじょう)を祈り、主役のしゅうと役と婿役が、約20人の歌い手の歌に合わせて田植えから稲刈りまで稲作の一連の所作を無言で演じる。途中で4、5歳児が演じる早乙女も登場し、演者は総勢約30人に上る。

     久野原地区は有田川沿いの山間集落で、今年1月現在の人口は約330人。2006年から3割減り、65歳以上が半数を占める。

     「久野原の御田」と並んで、同じ有田川沿いの杉野原地区でも豊作を願う「杉野原の御田舞」(国重要無形民俗文化財)を毎年2月に奉納してきたが、両地区は約40年前、「地区総出の行事で負担が重い」として隔年開催で合意。祭りを交互に開いてきたが、それでも継続が困難になり、杉野原は昨年2月で中止した。

    「久野原の御田」を練習する早乙女役の子供たちと、指導する保田英夫さん(左奥)=和歌山県有田川町久野原の久野原コミュニティセンターで2019年2月4日午後7時58分、木原真希撮影

     一方、久野原でも次回は早乙女役の子供がそろわないなどとして中止を決断。若手を指導してきた保存会顧問の保田英夫さん(80)は「御田があったからこそ地域のつながりを維持できた。文化継承の思いだけでは続けられなくなった」と残念がる。

     和歌山県は昨年1月1日時点の県人口に占める65歳以上の割合が31・5%と近畿で最も高く、全国8位。15年の県人口は約96万4000人で、10年比では3・9%減と、全国平均の0・8%減を大きく下回る。

     平成以降に休止した8件には、有田川の鵜(う)飼い(12年を最後に休止)や、海南市の「立神(たてがみ)の雨乞い踊り」(11年ごろ休止)など地域に根ざしたさまざまな行事が含まれる。

     文化庁によると、祭事継承に関する相談は各地からあるといい、同庁では参加できる対象を広げたりするよう助言している。久野原地区では他の地域に協力を求めることも検討したが、「地元の祭りは地元の住民で」との意見が多く継続を諦めたという。

     久野原の御田は11日午後1時から岩倉神社で披露される。見学自由。【木原真希】

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