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「あん」の色の正体を解明 「より美しい色」にも期待 名大研究チーム

研究により色素が判明した赤小豆=名古屋大・吉田久美教授提供

 伊勢名物「赤福餅」などに使われている赤小豆を原料にしたあんの色の正体を、名古屋大の吉田久美教授(天然物化学)らの研究チームが突き止めた。赤小豆の種皮から、新発見となる紫色の色素を取り出す事に成功した。吉田教授は「高級なあんほど紫色とされている。これまで職人の技と勘に頼ってきた加工法が科学的に解明できれば、より美しい色が出せるかもしれない」と話している。

 赤小豆は、和菓子やあんパンなどのあんの原料に使用されている身近な食材。赤小豆の色素はこれまで、同じ豆類の黒大豆や金時豆などに含まれるアントシアニンだとされてきた。しかしチームの研究で、赤小豆にはアントシアニンがほとんど含まれないことが分かり、紫色の正体は謎だった。

赤小豆から作られた紫色のあん=名古屋大・吉田久美教授提供

 研究チームは赤小豆の種皮から不純物を取り除き、色素を抽出した結果、2種類の紫色の色素を発見した。「カテキノピラノシアニジンA、B」と名付け、水に溶けない性質なども分かった。あんにもこの色素が含まれているのを確認し、紫色の正体を裏付けたとしている。

 赤小豆をあんにする過程では、煮汁を数回捨てる渋切り作業をする。研究チームは、その際に褐色のタンニンなど水溶性の色素が水に溶けて除去され、「カテキノピラノシアニジンA、B」があん粒子に付着することで、紫色になるとみている。その後、砂糖などを加えることで色合いが変化していく。

 吉田教授は「今後、色素の生成過程なども調べ、小豆をどのように炊いたらきれいな紫色になるのかを解明したい」と話している。

 研究成果は英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」(電子版)に掲載された。【川瀬慎一朗】

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