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社説

きょう自民党大会 活力なき低位安定が続く

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 自民党がきょう党大会を開く。12年に1度、春の統一地方選と夏の参院選が重なる今年を「政治決戦の年」と位置づけ、臨戦態勢に入る。

     昨秋の党総裁選で安倍晋三首相が3選されて最初の党大会でもある。政権奪還から6年余が過ぎ、強力なライバル党は存在しない。

     では、自民党はそれだけ力強い政党に成長したのだろうか。

     首相が宿願とする憲法改正について、運動方針案は「新しい時代に即した憲法の改正に向けて道筋をつける」とうたう。4項目の条文案を国会に示すと意気込んだ昨年の方針からはトーンダウンした。「押しつけ憲法論」に基づく上滑りな論議が行き詰まったのは当然だ。

     1強の政治資源は、人口減少下での社会保障強化や膨らむ公的債務の解決などに活用すべきなのに、党の関心は目先のことに集中する。

     活力の乏しさは、「ポスト安倍」を狙うダイナミックな動きがないことに表れている。

     派閥領袖(りょうしゅう)クラスでは岸田文雄政調会長と石破茂元幹事長が意欲を見せている。しかし、他の派閥は明確な総裁候補を持たないままひたすら頭数を競い合う状況だ。

     昨年の総裁選では石破氏が党員票の45%を獲得した。国民の感覚に近い一般党員の間に、首相の政治姿勢やアベノミクスへの不満があるのは明らかだろう。だが主流派でいたい各派は党大会を前に、石破派だけを外してひそかに首相公邸で会食するなど、内向きの策動に徹している。

     党内の政策論争も低調だ。

     例えば日露の北方領土交渉は戦後外交の分岐点になる。北方四島を「日本固有の領土」と主張してきた歴代政権との整合性を問う声が党側からなぜ出てこないのだろうか。

     衆院の大半を占める当選3回以下の若手は、首相に権力が集中する平成の政治改革を通して変質した。非常識な言動も目立つ。こうした低位安定こそ、今の自民党の特徴だろう。

     それでも政権にあぐらをかいていられるのは、ひとえに「多弱化」した野党のおかげである。

     政党は代議制民主主義に不可欠な存在だ。さまざまな国民の意見と利害を吸い上げて国政に反映させる役割を担う。政権党の責任がとりわけ重いのは言うまでもない。

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