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中村桂子・評 『天然知能』=郡司ペギオ幸夫・著

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 (講談社選書メチエ・1836円)

外部を招き入れて理解を実現

 著者の名前を見ただけで難しかろうと敬遠するのが無難とわかっていながら今回はあえて取り上げる。「天然知能」という言葉で、私が生きものの感覚として大事にしていることを論理的に考えてくれているのではないかと感じたからである(間違いでないことを願いながら)。

 近年話題の人工知能の対義語としては自然知能を考えるのが通常だが、著者はそこに天然を持ち込む。世界に対する対処の仕方を身近な生きものへの向き合い方によって人工・自然・天然の三つの知能に分けるのだ。人工知能は、自分にとっての用途、評価を明確に規定し、その上で対処する。自然知能を著者は「自然科学が規定する知能」とする。私は生きものである人間として考える時にはたらくのが自然知能と考えてきた。しかし、自然…

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