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仏大統領、デモ収束へ国民投票検討 「聞く耳持たない」イメージ払拭狙う?

フランスのマクロン大統領=AP

 【パリ賀有勇】フランスのマクロン大統領が、政権に抗議する黄色いベスト運動によるデモを収束させるため、自身の公約などを問う国民投票を今年実施する可能性が取りざたされている。実施されれば14年ぶりとなる。結果によって求心力が左右される「もろ刃の剣」をマクロン氏が抜くかどうか注目される。

     パリなどでは9日も13週連続となるデモが実施され、収束は見通せない状況だ。

    13週連続で行われた「黄色いベスト運動」のデモ。マクロン政権は国民投票を実施してデモ収束を図るとの観測が出ている=パリで9日、ロイター

     マクロン氏は1月から「国民討論会」を各地で開催している。国民の意見を政策に反映させる方針で、インターネットの特設サイトには2月5日現在、70万件超の意見が寄せられている。討論会は3月15日まで約3000カ所で行われる予定で、マクロン氏の支持率が増加に転じるなど、一定の評価を得ている。

     仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュなどによると、マクロン政権は討論会の締めくくりと位置づけて、5月下旬の欧州連合(EU)の欧州議会選に合わせて国民投票を実施することを検討しているとされる。

     マクロン氏が公約に掲げてきた議員定数削減や多選制限に加え、討論会で出された意見をもとに、国民生活に関わる設問が想定されているという。「聞く耳を持たない大統領」とのイメージを払拭(ふっしょく)し、国民の信任を得る狙いがあるとみられる。

     1958年からの仏第5共和制では、歴代大統領が国民投票を実施してきた。2008年の憲法改正により国民投票は、有権者の10分の1(約450万人)以上の要請のうえで国会議員の5分の1(185人)以上が賛成すれば実施できるようになった。だが、条件が厳しいと指摘されており、実施例はない。

     デモ参加者らは、法案採択▽法律廃止▽憲法改正▽政治家解任――についての国民投票を70万人以上の署名によって実施可能にする新制度を求めている。

     フランスでは、上下両院議会が大統領を罷免できる規定があるものの、職務不履行などの場合に限られる。議会が不信任を突きつけて辞職に追い込む制度もなく、大統領は任期満了まで安泰だ。

     国民投票で政権側の提案が否決されても大統領は辞職する必要はないが、求心力低下は避けられない。69年に憲法改正案を国民投票にかけたドゴール大統領は、改正案否決を受けて辞職した。

     仏リール大のジャンフィリップ・ドゥロジエ教授は「国民投票は、更なる深みにはまるリスクを負いながら、危機を脱するために行う一か八かの勝負だ」と指摘する。

     最大野党・共和党のフィリップ・ジュバン欧州議会議員は「国民投票で否決されれば大統領は辞めるべきだが、『ノン』と答えられないような問いを用意しつつ、賭けに出ているかのような姿を演出するに過ぎない」と批判する。

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