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エンタメノート

吉本新喜劇「座長が変わる」ってどういうこと? 東京でも笑える60周年

 関西地区で土曜のお昼と言えば、かつては学校が半ドンだったことから「吉本新喜劇のテレビ見ながらお昼ご飯食べる」のが定番だった。「吉本新喜劇の座長が代わる。新体制発表」というニュース(4日)に、「えっ?」という方もいれば、「座長って何人いるの?」という方もいたことだろう。関東ではまだまだ知名度が高いとは言えないのが、東京の新喜劇ファンとしては、ちょっとはがゆい。

 今年は新喜劇発足60周年。そもそも、新喜劇とテレビは切っても切れない縁がある。大阪・毎日放送(MBS)テレビが放送開始したのが1959(昭和34)年の3月1日。この日、大阪・うめだ花月から中継されたのが「吉本ヴァラエティ」。後の新喜劇だ。

 花菱アチャコ、大村崑、花紀京、岡八郎、木村進、間寛平らが座長を務め、世代交代を繰り返しながら新喜劇を守り、新しいファンを開拓してきた。現在の座員は約110人。なんばグランド花月を中心に、よしもと西梅田劇場、よしもと祇園花月、そして全国各地で公演を続けている、

6座長のうち2人勇退、後継候補に「4リーダー」

(後列左から)座長のすっちーさん、川畑泰史さん、小籔千豊さん、酒井藍さん、(前列左から)リーダーに就任する諸見里大介さん、清水けんじさん、吉田裕さん、信濃岳夫さん=大阪市中央区で2月4日、山田夢留撮影

 現在の座長は6人。このうち、ベテランの2人、朝ドラ「わろてんか」やドラマ「下町ロケット」にも出演した内場勝則さんと、「茂造」のキャラクターやテレビ「バラエティー生活笑百科」にも出演する辻本茂雄さんが勇退し、ベテラン座員として引き続き活動する。

 引き続き座長を務めるのは4人。小籔千豊(かずとよ)さんは、ご存じだろう。もともと、新喜劇を全国の人に知ってほしい、という意味合いもあって、活動拠点を東京に移し、新喜劇に加えテレビでのタレント活動を続けている。自己紹介で「吉本新喜劇のコヤブカズトヨです」と話すのも、新喜劇を知ってもらいたいからだ。さらに、ばたやんこと川畑泰史さん、元ビッキーズで活躍した、すっちーさん、そして2017年に女性初の座長就任で話題になった酒井藍さん――の4人だ。

 そして、時には座長役も務めてきた若手座長候補の4人、清水けんじさん、吉田裕さん、信濃岳夫さん、諸見里大介さんが、「リーダー」となる。任期は1年。1年間の活動次第では、座長昇格もあるという。

マンネリ? とんでもない

 新喜劇を見たことがない人でも、あのテーマ曲、「Somebody Stole My Gal」というのだが、ご存じだろう。コケ方のきれいさ、そして音楽とのシンクロ、お約束だけれども笑ってしまう。そして個性が強すぎる座員のキャラクター。元座長の池乃めだかさんに、島田一の介さん、末成由美さん、浅香あき恵さん、未知やすえさんといったベテランは、一度見たらはまってしまう。中堅、若手も育ってきた。

 じゃあ、今のままでいいのでは?と思ってしまうが、新喜劇はこれまでも「新喜劇やめよっカナ!?キャンペーン」(89年)など、てこ入れと世代交代を繰り返してきた歴史がある。ともすればマンネリと皮肉られがちだが、そんなことはない、伝統を大切にしながら、変わり続けてきているのだ。

 大阪、京都への旅行、あるいは出張のちょっとした時間があったら、吉本の3劇場で生の新喜劇を見て思いっきり笑ってほしい。落語もそうだが、新喜劇も生の迫力は笑いを何倍も増幅させる。

東京では深夜に放送

 「そうはいっても東京に住んでるし……」という方は、新喜劇の東京公演をぜひチェックしてほしいし、意外に知られていないが、実は東京でも新喜劇を毎週テレビで見られるのだ。MBSテレビより数日遅れになるが、毎週火曜深夜0時半から、TOKYO MX2(サブチャンネル。093)で放送されている。

 毎週、声を潜めて笑い転げているが、深夜だからそうもいかない方がほとんどだろう。これは録画して、MBSと同じ土曜正午から昼ご飯を食べながら、がベストかも。系列関係なく、本当は同時刻にサブチャンネルでもいいので放送してもらいたいのだけれど。【油井雅和】

油井雅和

東京生まれ。東京、大阪で、大衆芸能、笑芸、放送などを取材し、芸術選奨選考審査員、文化庁芸術祭審査委員などを務めた。沖縄好きで学生時代から通い、泡盛は糖質ゼロなので大好き。

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