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AIで水位予測へ 豪雨時の早期避難に 国交省九州技術事務所

西日本豪雨では筑後川流域の中小河川が氾濫し孤立した住民がボートで救助された=福岡県久留米市北野町で2018年7月7日、高芝菜穂子撮影

 国土交通省九州技術事務所(福岡県久留米市)は豪雨時の住民の早期避難につなげるため、中小河川の水位を人工知能(AI)で予測するシステムを開発した。川幅の狭さなどから中小河川の水位は変化が速く推計が困難だったが、過去のレーダー雨量や水位を学ばせる深層学習(ディープラーニング)によって数秒で予測できるようにした。

     システムは過去の中小河川上流部の雨量と、中下流部の水位を学習したAIが傾向を把握。豪雨時に上流部の雨量を入力すれば、10分後~1時間後の下流部の水位変化を数秒で予測できる。

     検証には佐賀県の城原(じょうばる)川(筑後川水系)のデータを用いた。2006年以降、中流の基準観測所で氾濫注意水位を超えた23回の大雨について、ピークの12時間前~8時間後の水位などを学習させた。 16年6月22、23日など大雨だった日の雨量から予測した中流部の基準観測所の水位は、実際の測定値とほぼ一致し、誤差は最大9センチに収まった。基準観測所の予測流量から、下流部の水位の時系列変化を計算したところ、1キロ間隔で設置されている18基の水位計の観測値とほとんど変わらなかった。

     国や県は水防法に基づき、洪水の危険がある河川の水位や流量を周知しなければならないが、技術的に水位を予測できる河川は、流域面積が広い筑後川など全国324河川にとどまる。システムが実用化されれば、中小河川も「洪水予報河川」に指定される可能性がある。

     ただし、実用化には城原川と規模や勾配などが異なる河川でも再現できるか検証が必要で、数年かかる見込み。18年7月の西日本豪雨では筑後川流域の中小河川が氾濫し住民がボートで救助される事態となったが、九州技術事務所の房前和朋技術情報管理官は「自宅近くの河川の水位予測情報が分かれば、より早期の避難につながる」と期待を込める。【安部志帆子】

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