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運命的な出会いの瞬間、頭の中に電気が流れるように直感が働くことがあるそうだ。そんな意味の流行語「ビビビッ」が世をにぎわせた1998年、一人のオトコがクラゲのとりこになった。思い続けて、かれこれ20年になる。
会社員の平山博文さん(55)=神奈川県大和市=は、港湾都市として知られる広島県呉市育ち。が、クラゲはおろか、海に関わることなく成長した。神奈川県内の会社に就職して35歳を過ぎた頃、イルカを見ようと訪れた江の島水族館(現・新江ノ島水族館)で目にしたクラゲの飼育展示。水槽の中で神秘的にたゆたう半透明な生命体を前に「なんて不思議な生き物だろう」。時を忘れて眺めたそうだ。
帰宅しても、フワフワと浮遊する姿が頭から離れなかった。今ほどインターネットが普及していなかった当時、クラゲに関する情報を手に入れるのは容易ではなかった。生態を分かりやすく解説した書籍も乏しく、研究者を地道に探し当て、メールを送って教えを請うた。無理を承知の行動だったけれど、意外にも丁寧に応じてくれた。その感激は今も忘れない。
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