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再思三省

「再思三省(さいしさんせい)」とは何度も考え、何度も自らを省みること。実際に紙面に登場した事例などをひきながら、月1回、三つずつのテーマで気をつけたい事柄をつづっています。なお、この中には必ずしも一般的に間違いとはいえないものもあります。読者への配慮や紙面上の統一などの点から決めているものは、理由とともに示しています。

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再思三省

第71回 似ているけれど大違い

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「再思三省(さいしさんせい)」とは何度も考え、何度も自らを省みること。実際に紙面に登場した事例などをひきながら、月1回、三つずつのテーマで気をつけたい事柄をつづっています。なお、この中には必ずしも一般的に間違いとはいえないものもあります。読者への配慮や紙面上の統一などの点から決めているものは、理由とともに示しています。

光か、電波か

 (韓国艦の)レーザー照射問題 → レーダー照射問題

 昨年12月に起きた韓国艦の火器管制レーダー照射問題の見出しが「レーザー照射」になるヒヤリハット事例がありました。レーザーは光を発するもので、レーダーは光よりも波長が長く目に見えない電波を発するもの。この問題はレーザー光線ではなく、電波を当てて相手の位置を捉えるレーダーの話でした。確かにまぎらわしい……と思っていたら今年1月には、陸自のヘリが緑色の光を当てられる問題がありました。こちらは「レーザー照射」が正解。

長さか、時点か

 (EUからの)離脱を延長 → 離脱を延期、離脱期限を延長

 英国の欧州連合(EU)離脱を予定の3月29日から先送りする案が出ています。これを「離脱を延長」と書いたものを見ましたが、延長は「長さや期間を延ばすこと」(大辞泉)。特定の時点で起こる「離脱」には「延期」が適当です。「離脱交渉」であれば時間的な長さがあるので「延長」でOK。ちなみに「期限」には「前もって決められた一定の時期・期間」(同)と「時期」「期間」両方の意味があり、これを使えば「期限延期」「期限延長」とどちらにもつなげられます。

台か、大台か

 (予算が)100兆円台を突破 → 100兆円(の大台)を突破

 2019年度予算案が100兆円を超えました。これについて「初の100兆円台突破」という書き方を見かけましたが、「100兆円台」は100兆円以上200兆円未満のことと捉えるのが普通。これを「突破」してしまっては「200兆円台に突入?」と思われかねません。「金額・数量の大きな境目となる桁や数値」(広辞苑)という意味の言葉を使って「大台を突破」とするか、単に「100兆円突破」で十分。「台」を使うなら「100兆円台に乗った」が良いでしょう。

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