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<第91回選抜高校野球>
「今日は動けなくなる日だ!」。今月上旬、日章学園グラウンドの近くの広原神社に畑尾大輔監督(48)の声が響いた。選手らが境内までの階段84段を一段飛ばしで駆け上がっていく。「スピード、上げろ上げろ!」。息を切らし懸命に手足を動かす選手らに、監督の喝が入る。投手陣は50回、野手は20回ダッシュを繰り返した。
日章名物の「階段ダッシュ」。選手もきついが、全員に活を入れ続ける畑尾監督も楽ではない。それでも声には熱がこもる。「声をかけてやれば選手らは踏ん張れる」。そう信じているからだ。
(1)プラスになる声掛けをする(2)弱音を吐かない(3)高い意識を持つ(4)気持ちで負けない(5)自分に厳しく--が「冬のトレーニング5箇(か)条」。選手らはこれをグラウンドのベンチに掲げ、冬のハードなトレーニングに耐えてきた。
「この冬は徹底的に心と体を鍛え直した」。福山凜主将(2年)は3カ月余を振り返った。昨秋の九州大会後、選手同士で冬の課題を「下半身の強化と意識の向上」と定めた。誰もが九州大会で見た他校の選手との体格差を痛感していた。「今のままでは高いレベルで戦えない」。それが全員の思いだった。
冬の間、1日4時間の練習のうちバットを手にするのはティー打撃などをする30分程度。その他の時間の大半を階段ダッシュや砂場トレーニング、選手をおんぶしての坂道ダッシュなどに費やした。
畑尾監督が近代的なウエートトレーニングより昔ながらの練習に時間を割くのは、こうした基礎的な鍛錬ほど心身の「芯の力」につながると考えているからだ。勾配のきつい階段や砂場など足場の悪い場所では、人はおのずと「倒れまい」とバランスを取る。「そこで培われるバランス感覚や体幹の強さはあらゆるプレーにつながるはずです」
昨年12月末には全員で熊本県美里町を訪ね、日本一の3333段の石段にも挑戦。この時点で選抜出場はまだ決まっていなかったが「来(きた)る春」を信じて登り切った。
広原神社の階段ダッシュ。福山主将は監督に負けじと選手らを叱咤(しった)激励し、場を盛り上げた。入学当初は10回駆け上がるのもやっとで、その日の練習メニューに階段ダッシュが入っていることを知ると天を仰いだが、2回目の冬を越えて成長を実感している。
「『なんでこんなに苦しい練習をしているのか』と、その意味を自分自身で考えながら取り組んできた。みんなレベルアップしていると思う」
冬のトレーニング5箇条はこの言葉で締められている。
「信は力なり」
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