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社説

辺野古問う沖縄県民投票 民意を熟成させる10日間

 米軍普天間飛行場の辺野古移設を問う沖縄県民投票が告示された。24日に投開票される。

     沖縄に集中する米軍基地の負担をどう考えるか。地域にとって何が最も利益になるのか。ともに沖縄で暮らす県民同士が話し合い、異なる意見も尊重しながら、民意を熟成させる10日間にしてもらいたい。

     「辺野古ノー」の民意は2回の知事選で示されている。ただ、党派間の対立が前面に出る選挙はしばしば住民の分断を生んでしまう。

     県民投票は選挙とは違う。特定の地域課題について一人一人が党派を離れ、自由な立場で意思表示できる貴重な機会として活用すべきだ。

     1996年に行われた米軍基地の整理・縮小などへの賛否を問う県民投票では賛成が9割を占める一方、投票率は6割にとどまった。基地関係で収入を得る人が少なくないなど、賛否の2択で割り切れない複雑な民意が棄権の動きに表れた。

     今回は辺野古埋め立てに「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択となった。一時、宜野湾市など5市が不参加の方針をとったのは、賛否2択では複雑な民意をすくえないというのが大きな理由だった。

     例えば、普天間飛行場を抱える宜野湾市民には早期返還を求める思いが強いだろう。県内移設には反対だが普天間返還が遅れるのも困るという人はどうすればよいのか。

     賛否だけでなく、「どちらでもない」の票数や投票率からも多様な民意を丁寧にくみ取る必要がある。

     県民投票条例は、最も多かった回答の票数が投票資格者全体の4分の1に達すれば、知事はその結果を尊重しなければならず、首相と米大統領に通知するものと定める。

     政権与党の自民、公明両党は自主投票を決めた。組織を動員して賛成や棄権を呼びかければ、かえって反発を買うと考えたのだろう。

     しかし、政府は県民投票の結果にかかわらず辺野古の埋め立て工事を続行する方針だ。菅義偉官房長官は告示日のきのう「基本的にはそういう考え方だ」と明言した。

     投票結果に法的な拘束力はない。だからといって、結果を見る前から無視を決め込むのは、懸命に民意をまとめようとしている沖縄の努力を軽んじる態度にほかならない。

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