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昭和史のかたち

統計不正問題と官僚=保阪正康

国を誤らせる愚民意識

 10年余りも前の拙稿に触れるのは気がひけるが、あえて触れたいのは官僚の生態が依然として同質のままだからだ。その稿(「文芸春秋」2008年11月号)の出だしは、「これほどまでに官僚の失政が相次いだ時代があっただろうか」であり、07年から08年にかけての不祥事の根源に何があるのかを問うた。農薬やカビに汚染された事故米が我々の食卓に入り込む。農林水産省の手抜き行政の結果である。5000万件の年金記録が失われていたのは、社会保険庁のあまりにもずさんな管理が原因だ。いくつかの官僚失政が重なった。

 第1次安倍晋三内閣の総辞職は、こうした失態も一因であった。この時私は、外務省勤務経験のある佐藤優氏(現在、作家)など何人かの官僚経験者の内幕話を聞いて、官僚の世界は戦前と変わらないんだなと思った。戦時の指導者、東条英機は、軍官僚出身だが、愚民意識丸出しで戦争指導を行った。情報隠蔽(いんぺい)、恫喝(どうかつ)政治、責任転嫁、人命軽視での戦争指導であった。官僚の持つ愚民意識は、「愚かな国民に選ばれ…

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