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社説

巨大ITへの法規制整備 不公正排する包括対策を

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 巨大IT(情報技術)企業を巡り個人情報の扱いや税負担のあり方が問題となっている。急速な拡大に法規制が追いついていないからだ。

     政府も対策に着手し、安倍晋三首相は今週、法規制整備を指示した。不公正を排しネット社会の健全な発展を図るには包括的対策が必要だ。

     まず重要なのは個人情報保護だ。

     巨大ITの代表格は、グーグルやフェイスブックなど「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる米国企業である。検索履歴などを集め、利用者が好みそうな広告を配信し、巨額の広告収入を得ている。その過程は不透明で利用者の不安を招いている。

     対策の柱の一つはプライバシーの侵害防止だ。総務省の有識者会議は「通信の秘密」の規定を海外企業にも適用するよう求める案をまとめた。電気通信事業法は無断で通信内容を見ることを禁じているが、巨大ITは対象外となっていた。

     「通信の秘密」は国家の検閲を禁じるだけではない。プライバシー保護を通じ、安心して通信を使えるようにする役割も持つ。膨大な情報が流れるネット時代に欠かせない。

     もう一つは、情報の蓄積で支配力を増す巨大ITが利用者を不当に扱うのを防ぐことだ。経済産業省などの有識者会議は個人情報に金銭と同じ価値を認め、巨大ITの収集は独占禁止法が禁じる「優越的地位の乱用」の可能性があると指摘した。

     独禁法はこれまで企業同士の取引に適用され、巨大ITと個人の関係には対応してこなかった。独禁法の目的は公正な取引の確保だ。立場の弱い利用者を守るため、適用対象を個人に広げるのは妥当だろう。

     巨大ITによる「課税逃れ」問題への対策も不可欠だ。

     巨大ITは世界で事業を展開しているが、今の国際課税ルールで各国が外国企業に課税できるのは、その国に工場などがある場合だけだ。巨大ITは工場を持たず、もうけは税率の低い国に移す例が目立つ。

     英国やフランスは巨大ITへの独自課税導入を決めた。巨大ITを抱える米国は消極的だ。ばらばらの対応が広がれば混乱は必至だ。

     各国が協調して新ルールを作る必要がある。6月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議に向け、議長国の日本は議論を主導すべきだ。

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