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時代の風

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日本人の変わらぬ中国観 自国の立ち位置、直視を=城戸久枝・ノンフィクションライター

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=根岸基弘撮影
=根岸基弘撮影

 上海で10年働く友人が、春節休みで帰国した。久しぶりに会って、最近の中国事情について聞いてみる。中国のキャッシュレス化がどれほど浸透しているのか、くわしくレクチャーしてもらった。レンタサイクルでも、屋台でも、現金で支払うことはほとんどなくなったそうで、最近は割り勘するときも、アプリのやり取りで決済できるのだという。日系企業で働いている彼女は言う。いまの日本は、中国の変化についていけてないように感じると……。日本と中国の関係の変化を感じさせられるような言葉だった。

 私は1997年から2年間、中国東北地方にある長春市の吉林大学に留学していた。留学生活のなかで、さまざまなカルチャーショックを受けた。特に驚いたのは、中国の人が想像以上に日本のことを知らないということだった。そして、日本人もまた、中国のことを知らないとわかった。当時はすでに、中国の経済発展はめざましかったが、日本人の意識としては、自分たちはまだまだ、中国よりも立場は上にいるような意識は少なからずあ…

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