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今週の本棚・新刊

『<女流>放談--昭和を生きた女性作家たち』=イルメラ・日地谷=キルシュネライト編

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 (岩波書店・3132円)

 1980年代、駆け出しの日本文学研究者だったドイツ人の編者が、第一線で活躍する女性作家14人にインタビューした。佐多稲子、円地文子といった明治生まれのベテランから、河野多惠子、石牟礼道子らの中堅、津島佑子ら編者と同世代の若手まで。一例を除き発表されないまま眠っていたが、三十数年の時を経て、本人または遺族の許可を得られた11人の記録が出版された。

 まだ東西冷戦下、作家たちは「西ドイツ」から来た30代の女性研究者の求めに応じ、文学に対する考え方を率直に語った。男性作家との間にある不平等な状況など、その時代に「女性の作家として書くこと」をめぐる話題が中心。共通の質問に、それぞれが個性的な答えを返す。さらに「同じ目線でボールを投げ合う」自由な対話が展開される。例えば河野は「あらゆる芸術の基本」を、人間や「自然を含めてのこの世」への肯定的な姿勢に…

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