メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

“へボさ”こそ正義 高度な技術は減点…ロボット相撲大会「ヘボコン」の魅力

ユニークなロボットが参戦し、白熱するほど会場の笑いを誘うヘボコン=宮城県川崎町の国営みちのく杜の湖畔公園で2019年2月16日午後2時13分、遠藤大志撮影

 ヘボこそ正義だ――。技術力が低い人のためのロボット相撲大会「ヘボコン」が16日、宮城県川崎町の国営みちのく杜の湖畔公園で開かれた。東北での開催は初めて。県内外から、出来が悪くてもアイデアに富んだ癖の強いロボット11台が参戦し、おかしくも白熱した勝負を繰り広げた。【遠藤大志】

     大会は同公園の主催で、トーナメント方式で行われた。ルールはベニヤ板の土俵上で相手を倒すか外に押し出せば勝利。製作するロボットは「技術力が稚拙であること」が条件で、遠隔操作など高度な技術が使われた場合は「ハイテクノロジーペナルティー」が科され減点される。

     参加者には高度な専門技術がないため、試合中にロボットが動かなくなったり、自分から土俵外に飛び出したりと、予期しないアクシデントが続出。会場は笑いに包まれた。

     参加ロボットは一癖も二癖もあるものばかり。1980年代アイドルの楽曲を鳴らしながら少女の人形が乗った新幹線模型が突進するロボットや、相手の動きを封じるための鳥もちを前方に構え、自分は動かない「非暴力・不服従」の思想を表現したという斬新なロボットも登場した。

     大会に通底する哲学は「へボさ=正義」。そのため、勝者が肩身の狭い思いをするのもヘボコンの特徴だ。優勝したのは仙台市若林区の会社員、松本武士さん(40)が製作した「フェースオブネコ」。モーター付きプラモデルに、ネコの顔をあしらったクッションを取り付けたシンプルな構造だが、高速で突進し相手を次々となぎ倒した。優勝インタビューに応じた松本さんは「勝ってすいません」と恐縮しきり。

     一方、最も栄誉あるのが「最ヘボ賞」。来場者が面白いと思ったロボットに投票した。選ばれたのは東京都台東区から参戦した会社員の佐藤芳治さん(50)の「ボロ雑巾ロボ」。使用済み雑巾を相手の下に滑り込ませ、仕込んだ風船をポンプで膨らませ相手を倒す作戦だったが試合では作動しなかった。

     過去にもゴミをテーマにしたロボットでヘボコン出場経験がある佐藤さん。インターネット上で「大会参加者が少ない」との情報を知り、会場へ駆けつけた。入賞は初めてといい「雑巾は相手に精神的打撃を与えるため。うれしいんだけど、果たして喜んでいいのか……」とこれまた恐縮していた。

     大会では子どもたちも善戦した。仙台市青葉区の小学5年生、勝部元さん(11)の「それいけミミちゃん号」は惜しくも決勝で敗れたが、審査員賞に輝いた。戦車のようにじりじり迫り、アームで相手を押し倒す本格派。チャームポイントとしてアームの先にティッシュを取り付けた。将来は科学者か技術者になりたいという勝部さんは「今度は絶対に優勝したい」と次の大会を見据えていた。

    ヘボコン

     専門技術がない人のためのロボット相撲大会で、技術力の高さを競う「ロボコン」をもじった。第1回大会は2014年に東京で開催され、同年の文化庁メディア芸術祭の審査員推薦作品に選ばれた。ユニークな試みは全国各地に広まり、中国や米国など世界各国でも同様の大会がある。子どもたちにものづくりの楽しさを知ってもらうイベントとしても注目されている。

    おすすめ記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 「堺筋」→「サカイ・マッスル」?大阪メトロ外国語版サイト「めちゃくちゃ誤訳」多数で閉鎖に
    2. プレミアム商品券「9月生まれまでの世帯対象に」 経済再生担当相
    3. マンモス細胞核に生命現象 分裂初期の動きを観察
    4. ジャングルジム5歳焼死 運営者ら6人書類送検 業務上過失致死傷容疑
    5. 見つけた・この店 新潟 帽子屋マットメント 「最強のおしゃれアイテム」に特化 /新潟

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです