科学の“志士”たち、広がる活用の場 維新塾10年

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科学者維新塾で議論する塾生たち=大阪大中之島センターで、松本光樹撮影
科学者維新塾で議論する塾生たち=大阪大中之島センターで、松本光樹撮影

 博士号を取得する若者らを、科学だけでなく幅広い分野で活躍する人材に育てようと大阪大教授が設立した「科学者維新塾」が、1月で10年を迎えた。研究職以外の可能性も探ってもらう狙いで、塾の出身者にはベンチャー企業、人材派遣会社などで活躍する人も現れている。

 「正解がないのは研究も本作りも同じだ」。大阪市北区の大阪大中之島センターの一室。出版社で編集者として働く堀部直人さん(35)が講師に招かれ、塾生に語りかけた。堀部さんは東京大大学院でショウジョウバエの行動などを研究し、博士号を取得。しかし研究者の道は選ばず、「科学を伝える『営業マン』になろう」と出版社に入った。

 阪大の博士後期課程1年、下村優(まさる)さん(25)は真剣な表情で耳を傾けていた。光コンピューティング分野の研究職を志すが、大学院に進んだ約3年前、他の世界ものぞいてみようと入塾した。講演で「編集者の仕事に興味を持ったか?」と質問され、真っ先に手を挙げた。

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