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メキシコの麻薬王・エルチャポ裁判傍聴記(4)大勝利の米検察 それでも新たな「王」が生まれる

 ニューヨーク市ブルックリンの連邦地裁で昨年11月から3カ月間続いたメキシコの麻薬王ホアキン・グスマン(通称「エルチャポ」)を被告とする陪審裁判は2月12日、検察の大勝利に終わった。陪審員12人は、検察が求めた10の罪すべてに有罪の評決を下した。

 「有罪」「有罪」「有罪」――。判事が評決結果を読み上げていく。終身刑となることが確実になったエルチャポは傍聴席の妻エマ・コロネルを見た。コロネルは腕を交差させて抱きしめるサインをし、エルチャポは胸に手を当てた。「大丈夫だ、分かっている」とでもいうように――。

 「30年間のキャリアの中でこれほど複雑で細部に注意を払う必要がある陪審裁判はなかった」。判事はそう感想を述べ、「素晴らしい仕事をした」と陪審員をねぎらった。無作為に選ばれた一般市民が他人を裁く陪審制度は、市民の能力を信頼する社会でなければ成立しない。判事は「アメリカ人として誇りに思う」と語り、うれしそうに閉廷を宣言した。

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國枝すみれ

1991年入社。英字新聞毎日デイリーニューズ編集部、西部本社福岡総局で警察担当記者、ロサンゼルス支局、メキシコ支局、ニューヨーク特派員を経て、2019年10月から統合デジタル取材センター。05年、長崎への原爆投下後に現地入りした米国人記者が書いたルポを60年ぶりに発見して報道し、ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

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