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クトゥーゾフの窓から

2018年春から2度目のモスクワ勤務に臨んでいます。目抜き通りの一つ「クトゥーゾフ通り」に面する支局の窓を開けると、何が見えてくるのか。周辺地域ものぞき込みながら考えていきます。

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クトゥーゾフの窓から

北の島々は(4) ロシアが期待する「多極化秩序の支柱・日本」 平和条約交渉もう一つの底流

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1回目の平和条約交渉に臨む河野太郎外相(左)とラブロフ露外相=モスクワのロシア外務省で2019年1月14日、大前仁撮影
1回目の平和条約交渉に臨む河野太郎外相(左)とラブロフ露外相=モスクワのロシア外務省で2019年1月14日、大前仁撮影

 日露外相は2月16日、ドイツの南部ミュンヘンで会談し、1月に続いて2回目の平和条約交渉に臨んだ。どこまで突っ込んだ話し合いをしたのか定かではないが、ラブロフ露外相は会談後に「クリル諸島(北方領土)が第二次大戦の結果としてロシア領になったことを認めるべきだ」との考えを繰り返しており、双方の立場に大きな隔たりが残されているのは確実だ。ロシア国内の世論調査でも7割が引き渡しに反対しており、安倍政権が望んでいた今年6月までの「大筋合意」は難しくなっている。

 一方でロシアの外交や安全保障の専門家からは、日露間の問題として捉えるだけではなく、急速に変化する国際情勢に照らし合わせ、より広い視点から平和条約問題を考えようとする意見も出ている。その底辺にはロシアが2014年3月にウクライナ南部のクリミアを一方的に編入したことにより、欧米諸国との関係を決定的に悪化させたことがある。過去5年のロシアは中国との経済関係にとどまらず、外交でも関係を密にさせてきた。一…

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