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MOTTAINAI

地球の肺を守ろう~コンゴ熱帯雨林保護の最前線から(1)マータイさんとの出会い=大仲幸作

コンゴ民主共和国の首都キンシャサ=大仲さん提供

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 私は今、コンゴ民主共和国の首都キンシャサで、このコラムを書いています。昨年10月に国際協力機構(JICA)を通じて、コンゴ環境省に政策アドバイザーとして派遣されました。私は大学時代に森林学を専攻し、農林水産省に採用され、早いもので今年4月でちょうど勤続20年を迎えます。霞が関を振り出しに、北海道では知床半島の現場管理も経験し、10年ほど前には思いがけず、ケニアの日本大使館への出向の機会を与えられました。

大仲幸作さん

 その当時、ケニアを拠点に精力的に環境保護運動に取り組んでいる女性がいました。アフリカ女性初のノーベル賞受賞者、ワンガリ・マータイさん(2011年死去)です。私は環境分野の担当者として、彼女の日本政府への窓口となり、訪日要請から要人との会談、日本での植樹祭のアレンジまで、彼女に関連するあらゆる業務に対応しました。毎日新聞が推進する「MOTTAINAIキャンペーン」とは、そのころからおつきあいがあったのです。

 気候変動対策や生物多様性の保全など「地球規模の課題」で国際的にリーダーシップを発揮したい日本政府、国際社会のバックアップを得て活動を進めたいマータイさん……。両者の間でWin-Winの関係がしっかりと築かれました。

 05年、「自然の叡智(えいち)」をテーマに開催された愛知万博ではマータイさんは開会スピーチを行い、08年に日本が主催し横浜で開催されたアフリカ開発会議(TICAD)ではオピニオンリーダーとして気候変動の議論をリードしました。

 また市民レベルでは「MOTTAINAIキャンペーン」を強力に推進し、日本の伝統的な「もったいない」の精神が国内外に普及するよう尽力しました。こうした数々の貢献が高く評価され、09年、彼女は日本政府から旭日大綬章を授与されました。

 彼女がライフワークとして取り組んでいた課題が、南米アマゾンと並ぶ、世界有数の熱帯林地帯「コンゴ盆地」の保全です。国際会議、皇族や首相との会談……。彼女は、あらゆる機会を通じて、その保全に向けた支援を熱心に要請し、私もケニアからそれをサポートしました。

 しかし残念なことにその当時、彼女の訴えは実りませんでした。コンゴ盆地は繰り返される内戦の舞台となり安全面で大きなリスクを抱えたうえ、現地からの情報も不足していました。その当時、日本政府にとって「コンゴ盆地の保全」は大変ハードルの高い支援課題だったのです。

 あれから10年の時が過ぎました。農水省で途上国の森林・林業協力を担当する私にある打診がありました。何と日本政府職員として初めてとなるコンゴ政府への長期派遣でです。課題は「コンゴ盆地の保全」。私はその要請を二つ返事で快諾しました。

     ◇    ◇

 日本政府から中部アフリカのコンゴ民主共和国政府に派遣されている大仲幸作さんのコラム「地球の肺を守ろう~コンゴ熱帯雨林保護の最前線から」がスタートしました。マータイさんは地球温暖化の原因といわれる二酸化炭素を吸収し、酸素を放出する熱帯雨林の保護をいち早く国際社会で提唱し、中でもコンゴ盆地をアマゾン川流域、東南アジアと並べて「地球を守る三つの肺」と呼び、その重要性を訴えました。熱帯雨林の保護のためその最前線で奮闘する大仲さんのリポートをお楽しみください。月1回程度更新する予定です。


大仲幸作(おおなか・こうさく)1999年に農林水産省入省。北海道森林管理局、在ケニア日本大使館、農水省国際経済課、マラウイ共和国環境省、林野庁海外林業協力室などを経て、2018年10月から森林・気候変動対策の政策アドバイザー(JICA専門家)としてコンゴ民主共和国環境省に勤務。

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