SUNDAY LIBRARY

岡崎 武志・評『木曜日の子ども』『羽根田ヨシさんの震災・原発・ほめ日記』ほか

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今週の新刊

◆『木曜日の子ども』重松清・著(角川書店/税別1700円)

 重松清『木曜日の子ども』を唸(うな)りつつ読み、最後は深い感動に包まれた。これはいいです。ニュータウンの中学校で7年前、殺戮(さつりく)が起きた。給食のスープに毒物が混入され、9人が死んだ。飲まなかった生徒が犯人で少年院送りに。

 42歳の「私」は、子連れの女性と結婚、問題の街に越して来た。いじめに遭い、自殺未遂の過去がある、連れ子の14歳の晴彦と距離を縮めようと努力する。ところが、毒殺事件の犯人・上田と、晴彦が似ているらしい。そして、上田が院を出て、この街へ戻ってきた。

 他所(よそ)の飼い犬、隣家の主人と変死が続き、中学校に予告殺人の手紙が届く。街は不穏な空気に包まれ、父親になろうとする「私」に、仮面をはぎ取った息子が見せた顔が、「幸せ」の芝居の終わりを告げる。行き着く先は深い闇か?

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