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花谷寿人の体温計

政治や社会の出来事が人々に与える影響を「体温」として読み解く、花谷寿人論説委員のコラム。

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自死遺族の再起

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 家族を守るためのうそはある。しかし、真実と向き合わねばならない時が来る。

 昨秋、公開された映画「鈴木家の嘘(うそ)」は、引きこもりの長男が突然、自ら命を絶った家庭が舞台である。

 その衝撃で記憶をなくした母親を気遣い、夫や娘は「長男はエビを養殖する仕事でアルゼンチンに行った」とうそをつき通す。

 どこにでもある平凡な鈴木家。これがデビュー作となった野尻克己監督も自死で兄を失った。「胸の肉をえぐられるような経験」を基に脚本を書いた。

 厚生労働省が先日、2018年の自殺者数(速報値)が2万598人だったと発表した。9年連続で減少しているが、人口10万人当たりでみると16・3人。欧米諸国に比べてなお高い。

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