メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

銀行、店舗の空きスペース活用へ 飲食店や保育所で、来店者の増加狙う

スペイン料理店を併設した店舗のイメージ。右奥が銀行のカウンター(山口フィナンシャルグループ提供)
山口フィナンシャルグループの吉村猛社長(中央)と百姓庵の井上義社長(右)=山口県下関市で2019年2月21日、久野洋撮影

 銀行店舗の空きスペースを外部に開放する取り組みが地方金融機関を中心に広がっている。インターネットバンキングの普及などで来店客数が減少する中、一等地に位置する銀行店舗の空きスペースを有効活用することで街のにぎわいや来店者の増加につなげるのが狙いだ。【久野洋、鳴海崇】

 山口フィナンシャルグループ(山口FG、山口県下関市)は21日、傘下の山口銀行が同県長門市の油谷(ゆや)支店に地元食材を使ったスペイン料理店を開設すると発表した。支店の事務効率化で生じた余剰スペースに集客施設をつくり、地域の活性化や来店客増加につなげたい考え。グループ傘下の全約280店舗でも今後空きスペースを有効活用できないか検討する。

 油谷支店は2階建てで、業務スペースを従来の約3割に縮小。1階の半分程度のスペースに入るスペイン料理店は、同市で塩づくりや地元産食材を使った料理店を手がける「百姓庵」が運営し、今年7月ごろのオープンを目指す。2階部分は多目的スペースとして活用する。

 支店付近は人口減少や過疎化が進む一方で、棚田が景勝地として話題となり観光客も増加している。オシャレな飲食店を作ることで、地域の魅力を発信し、住民同士の交流も促す。レストランと支店窓口は同じフロアで垣根を設けず、若い世代など普段銀行に来ない人に資産運用などを提案する機会を増やす。

 山口FGはテナント収入も得る方針だが、吉村猛社長は「交流を通してビジネスが生まれ、地域が活性化するような取り組みにしたい」と意気込んでいる。

 金融機関はかつて、駅前や目抜き通りなどの好立地への出店を競ったが、来店客数の減少で余剰スペースや店舗の扱いが大きな課題だ。金融庁は2017年9月、中小や地域の金融機関が所有する不動産について、公共利用される場合は柔軟に貸し出すことができるよう監督指針を改正。これにより、金融機関のビルなどで遊休スペースを使った多様なサービスが提供されるようになった。

 みなと銀行(神戸市)は就活支援会社と提携し、飲料や公衆無線LANを無料で利用できる大学生専用のカフェを神戸市内の学園都市支店に併設。運営は地元の企業や団体などが担い、企業と学生が交流できる拠点になっている。

 待機児童問題に悩む都市部では、三井住友銀行が昨年4月から、東京都大田区の雪ケ谷支店の一部をニチイ学館に貸し出し、保育所として運営。世田谷信用金庫は東京都世田谷区の船橋支店の3階を認可保育所の分園に使ってもらっている。ある地銀幹部は「賃料収入だけでなく、新たな顧客の呼び込みにもつながっている。今後も柔軟に運用したい」と話した。

おすすめ記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 慶応大が渡辺真由子さんの博士取り消し
  2. 札幌市が水道料金6140万円と誤通知 本来の6696円の9100倍
  3. 女子高生とのわいせつ動画 ネット公開容疑で男逮捕 4000万円収入か
  4. SNSで自分の裸の画像や動画販売容疑 15~17歳の少女3人を書類送検 福岡県警
  5. 中2男子、校内で同級生の頭を刺す 容体不明 殺人未遂で逮捕 愛媛

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです