落語家の高座着は、昔は黒紋付きが当たり前。笑点のような原色の着物を着ることはまずない。「あれはカラー放送に合わせたんだ」という説もあるが、笑点初期のカラー写真には、地味な色の着物のものもあり、よくわからない。おしゃれな着物を着るようになったのは、春風亭小朝さんからだろうか。
現在、落語家は東西で約900人。「なんだ、この熱帯魚はって、こんな衣装は落語家で私一人なんですから。これ、ものはね、テトロン。夏暑く冬寒いの……」と、マクラでお客さんをいじりながら、着物の説明をするのは、古今亭寿輔さん(74)。
失礼ながら、初めて寄席でお顔を見た時は、赤塚不二夫さんの漫画のキャラクターのようなインパクトに驚いた。「落語会のサリンと呼ばれてます」というマクラは今は使わないが、お顔といい、着物といい、強烈なだけに、怖い人なのでは? とつい思いがちだが、その懸念は無用。実は優しい人なのだ。
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東京本社ウェブ編成センター記者。東京生まれ。早大卒。東京、大阪で、大衆芸能、笑芸、放送などを取材し、芸術選奨選考審査員、文化庁芸術祭審査委員などを務めた。沖縄好きで学生時代から通い、泡盛は糖質ゼロなので大好き。。
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