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創作の原点

作家、詩人・松浦寿輝さん パリで映画漬け、「物語」培う

=東京都千代田区で、山下浩一撮影

 松浦寿輝さん(64)の仕事は、あまりに多彩である。大学4年の時、フランス文学の研究者を志すが、詩は既に書き始めていた。中学時代から名画座に足を運んだ映画好きで、大学院生の頃からは映画批評を手掛けた。大学教員となり、研究・教育の傍ら、詩作とともに斬新な評論を次々と発表し、40代で小説の執筆を開始する。そして、いずれの分野の作品も高い評価を受けてきた。その人の「原点」は20代に2回、通算3年余に及んだパリへの留学だという。「人格形成の原点であり、人生において大きな意味がありました」

 1976年、「コンクール・ド・フランセ」というフランス語のスピーチコンテストで優勝し、仏政府給費留学生への推薦を得た。東大を卒業し大学院に進学したばかりの22歳。この時のスピーチ自体、「夏目漱石の英国留学体験」がテーマだった。「高校時代、大江健三郎さんと並んで江藤淳の『漱石とその時代』などをよく読んでいました。あの当時は修士論文を書いてから留学する人が多かったので、私の場合はタイミングとして早か…

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