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「国民病」とも言われる花粉症患者が悩む季節が到来した。春とともに大量に飛散するスギ花粉。林野庁は花粉症対策の決め手の一つとされる「少花粉スギ」の苗木への植え替えを推進しているが、木材需要の伸び悩みや木材品質への不安などの理由が重なり、植え替えは進んでいない。
東京都の調査では、都内で花粉症を抱える人の割合は推定で48.8%(2016年現在)と、ここ20年で2.5倍に急増している。
花粉症患者の増加には、戦後の国の森林政策が関係している。成長が早く、加工がしやすいスギは人工林の主役。日本の国土の7割にあたる森林(2508万ヘクタール)のうち、人工林は約4割の1029万ヘクタール。中でもスギは448万ヘクタールと最多を占める。スギは樹齢20~30年で花粉を激しく飛散させるが、花粉症が社会問題化した昭和の後半と時期的に重なる。
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