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<第91回選抜高校野球>
「最初に決まったレギュラーで、最も重要視しているポジション」。選手、監督として7回の甲子園を経験する小林徹監督は、バットではなくペンを片手に傍らに座る記録員を重視する。今年の記録員は小杉秀次朗選手(2年)。試合、練習を通じて個人のプレーやチームの方針に意見する、「物言う」記録員だ。
東京都墨田区出身。小中学生の時は投手だった。高校でも投手を務めていたが、試合での登板はなかった。ベンチ入りメンバーも定まらない夏の新チーム結成直後、小林監督から記録員を勧められた。記録員になれば背番号はもらえずグラウンドに立てないが、公式戦ではベンチに入り、チームを支えることになる。「重要な仕事を任された」と感じた。
練習では打撃投手やノッカーを務めてチームを観察する。試合でも記録を付けながら、持参したノートに「ピンチに投球のテンポが同じになる」など、気になった点をメモする。試合や練習の後には気づいた課題などを選手に話しかけるのが日課になっている。「うまくなるには周りからの視点が大事だ」と考える。
小林監督は「誰が記録員になるかでチームは変わる。前回の甲子園でも優秀な記録員がいた。野球への理解が深い選手でないと任せられない」と語る。小杉選手は試合中、小林監督の隣に座り、小林監督から相手の投手や打者のデータを尋ねられれば、すかさず答える。小林監督は「嫌われ役になることをいとわずに発言ができるところも良いところ」と評価する。
「背番号のない自分がチームについて発言したり、行動したりすることで、どんな選手も主体的に動けるようになる」と考える。練習では両主将に負けない大声でチームを盛り上げ、試合の準備なども率先して引き受ける。チームメートからは「ムードメーカー」「チームを引っ張ってくれる存在」と信頼は厚い。
小杉選手は自身の欠点を「野球が下手なこと」と笑う。ずっと憧れだった甲子園を目指して習志野に入学した。「一人の選手として野球がうまくなりたい」という思いも心の奥にある。それでも、今の目標は引退までに小林監督の考えを先読みできるようになることだ。小林監督に伝えると、「まだまだお前に心を読まれはしない」と一蹴されたという。
小杉選手は「プロ野球選手になるのは無理だと思う。将来は小林監督のように教員になって、自分の経験や学んだことを伝えたい」と夢を語る。センバツの舞台では「ベンチから自分だけができる仕事をしたい」。
◇
第91回選抜高校野球大会は3月23日に開幕する。大会に向けて練習に励むチームを支える、いろいろな人たちを紹介する。(この連載は秋丸生帆が担当します)
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