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第103回全国高校野球選手権

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センバツに駆ける

7年ぶりの挑戦 第1部 明豊/下 先輩たちの「教え」浸透 /大分

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バッティング練習に打ち込む明豊の選手たち=大分県別府市の同校グラウンドで、田畠広景撮影 拡大
バッティング練習に打ち込む明豊の選手たち=大分県別府市の同校グラウンドで、田畠広景撮影

 通常(83、84センチ)より長い87センチの木製バットがある。2017年夏の甲子園で2本塁打を放つなど活躍した浜田太貴選手(3年)=ドラフト会議で東京ヤクルトスワローズ4位指名=らが練習で使っていたものだ。

 トスした球を打つバッティング練習。ブン、ブンと小気味よいスイングの音が響く。「浜田さんを超える3本塁打を」。野辺優汰選手(2年)が、そのバットを使って汗を流す。野辺選手と同じく長距離砲として期待される藪田源選手(同)もこのバットを使って練習するという。

 明豊は甲子園に既に夏6回、春2回出場している。「先輩たちがしてきたことをすれば甲子園につながるはずだ」。金属よりも飛びにくい木製バットでの練習、毎日少なくとも700~800回行うスイング、野球の硬球よりも大きいソフトボールの打ち込み--。甲子園をイメージしながら、先輩たち以上の練習を目指してきた。

 新チームは、昨秋の九州地区大会で全試合5得点以上をたたき込み、準優勝を果たした。全国で通用するよう、「木のバットでもしっかり飛ばせる打力を」(川崎絢平監督)目指してきた選手たち。先輩たちの「教え」は確実に浸透している。

   ◇  ◇

 「兄や先輩たちのためにも新チームで必ず甲子園に行く」。1年生エースの若杉晟汰(せいた)選手がこう心に誓ったのは、昨夏の大分大会準決勝で敗れた瞬間をスタンドで見届けたときだった。若杉投手の兄は、その敗れたチームの守備の要、若杉雅己捕手(3年)だ。「2人で甲子園に行きバッテリーを組もう」という夢はついえたが、その悔しさが原動力になったという。

 毎日40~50球、常にバッターを立たせてインコースにひたすら投げた。「甲子園に行くことで先輩たちに恩返しをしたい」。この思いが、さらに強気に攻める投球に駆り立て、県予選から九州地区大会まで9試合に登板し、3完投する活躍を見せた。

 エースの奮闘に周りも応え、守備もレベルアップ。「あとわずかで捕れたのに」というボールもしっかりアウトにできるよう、走らないと捕れないノックを繰り返し、自信につなげている。

 先輩の教えと思いを胸に成長する選手たち。目指すは、17年夏に果たした甲子園最高成績のベスト8以上、「先輩越え」だ。(次回から大分高校を取り上げます)

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