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時代の風

日英、現実認識は健全か 二つの島国「自己欺瞞症」=京都大教授・中西寛

=森園道子撮影

 欧州連合(EU)離脱まで約1カ月と迫ったイギリスでは離脱条件をめぐる混乱が収まる気配がない。その一方で最近、イギリスは太平洋地域に海軍艦艇を派遣し始めた。友好国日本にとっては頼もしい気もするが、大英帝国がよみがえったかのような錯覚がかの国の外交を狂わせているのではないかと多少心配になりもする。

 ユーラシア大陸の反対側の島国、わが日本も自己欺瞞(ぎまん)症を患っているのかもしれない。政府統計の不正問題が話題となっているが、個々の統計の問題より実績を良く見せたい官邸の意向が政府全体を支配していることが問題だろう。良い例が「いざなぎ景気」を越える長期景気といった表現であろう。年平均10%近い成長率だったあの時代の基準なら、年平均1・5%の現在の景気はもちろん不況になる。長期景気は、景気後退が起きていないことを意味するに過ぎない。

 こうした状況はイラク戦争時の米英のインテリジェンス問題を思い出させる。あの時は政治指導者が戦争を正当化するためにイラクの大量破壊兵器隠匿情報を求める意向が明らかであり、都合のよい情報が集まる結果になった。こうした事態を避けるために本来は政策決定と情報分析の間に隔壁(ファイアウオール)を設ける必要がある。しかし現政権では官邸の意向に対する実効的な隔壁が存在せず、情報にゆがみが生じやすい構造となって…

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