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あの味この味

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熊本・人吉のキジ料理 舌に残る上品な甘さ /熊本

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 平安時代から貴族に愛され、豊臣秀吉も鷹(たか)狩りの獲物として好んで食べたキジ。そんなキジ料理店の九州の草分けが熊本県人吉市の木地屋(きじや)町にある。球磨川の支流、胸川(むねがわ)河畔に建つ「きじや」だ。

 店の床下には川から引いた水が流れ、水車で動くオルゴールが水を入れた球磨焼酎のボトルを叩いて奏でる「五木の子守唄」が来店者を迎えてくれる。そのゆったりとした旋律に身をゆだねていると、あくせくした日常を忘れてしまう。

 聞けば、店主の中島光則さん(68)の父親の代まで、水路の水で水車やタービンを回し、線香の原料を作っていたという。時代の流れに業態変更を迫られた中島さんが「地名が木地屋だからキジ料理店を」と決意したのは22歳の時。滋賀県での料理修業を経て帰郷した30歳でキジのつがいの飼育を始め、産んだ卵をふ卵器でふ化させて育て、さらに繁殖……と飼育数を増やしていき、1984年に開店した。

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