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詩歌の森へ

山口青邨の文体論=酒井佐忠

 昨年末に没後30年となった山口青邨の作家論に踏み込んだ岸本尚毅著『山口青邨の百句』(ふらんす堂)が刊行された。深見けん二をはじめ青邨を今でも慕う俳人は多い。だが、かつて山本健吉が指摘したように、平明にして淡白の中に心がこもる作風は、野心的な表現が少ないため作家論として掴まえどころがないともいわれた。だが、岸本は、青邨の「文体の多様さと自在さ」に注目し、百句解説に加え文体論として青邨像を明らかにした。

 <みちのくの町はいぶせき氷柱かな><初富士のかなしきまでに遠きかな>。代表句はいずれもオーソドック…

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