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肥満症患者データベース、学会が構築へ ”万病のもと”にビッグデータで対抗

イメージ=iStock

 日本肥満学会は、全国の肥満症患者の診療情報を集めたデータベース作りを始めた。5年程度をめどに全国の約20医療機関で計1万例の収集を目指している。さまざまな健康障害を伴う肥満症患者の情報をビッグデータとして分析し、新たな治療法開発などにつなげる狙いがある。

 肥満症は、国内に推定約2500万人いる体格指数(BMI)25以上の「肥満」のうち、高血圧や脳梗塞(こうそく)、睡眠時無呼吸症候群など11種類の健康障害を伴う場合を指す。

 同学会によると、医療機関の電子カルテに、肥満症に特化した診療情報の入力画面を設ける。BMI25以上の患者が受診すると、医師はこの画面で▽体重や血圧などの身体的所見▽発症時期▽処方薬▽肥満家族の有無▽関連疾患の有無――などを入力し、治療に活用する。

 さらに、情報を匿名化したうえで国立国際医療研究センター(東京都)内のデータセンターに送信し、蓄積する。全国の研究者からこのデータを分析対象とする研究を募集し、治療法開発や疫学研究に役立てるという。患者はデータ利用を断ることもできる。

 神戸大病院の倫理委員会が既に計画を承認し、電子カルテに今月、システムが導入された。東京大病院など他の医療機関にも広げていく予定。

 また、肥満症は関連疾患が多く、膝の痛みを訴えて整形外科を受診したり、不妊で婦人科にかかったりするケースがある。関連疾患と肥満症の治療を並行して進めると効果が高く、肥満症に特化したカルテの入力画面を専門外の医師にも利用してもらう考えだ。

 同学会常務理事の小川渉・神戸大教授は「肥満症は『万病のもと』と言われる。多彩な疾患のデータベースを構築し、国民の健康増進に役立てたい」と話している。【阿部周一】

肥満症11の健康障害

 肥満(BMI25以上)に加え、次のうち一つでも当てはまると「肥満症」と診断される

耐糖能障害(2型糖尿病など)

脂質異常症

高血圧

高尿酸血症・痛風

冠動脈疾患

脳梗塞

脂肪肝

月経異常・不妊

睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群

運動器疾患

肥満関連腎臓病

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