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第93回センバツ高校野球

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常笑高商

監督の目指すもの/4 練習、片付けも全員で 学年の隔たりなくす /香川

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グラウンド整備をする高松商2年の大塚慶汰選手(右)と花岡海音選手=高松市松島町1の同校で、潟見雄大撮影 拡大
グラウンド整備をする高松商2年の大塚慶汰選手(右)と花岡海音選手=高松市松島町1の同校で、潟見雄大撮影

 <第91回選抜高校野球 センバツ>

 高松商の選手たちは練習中、学年に関係なくお互いにアドバイスしたり指摘し合ったりしている。厳しい上下関係が無く、準備や片付けも全員でする。

 長尾健司監督が就任した2014年4月当時は上下関係が厳しく、練習の準備や片付けは1年生の担当だった。練習時間より3時間も早く集合し、グラウンド整備をしていたことも。長尾監督の目には忙しさのあまり、練習に十分な力が割けていないように映った。「このままでは下級生が練習できないだけでなく、上級生が社会に出てから人をあごで使うような人間になってしまう」と危機感を持った。

 全員で準備や片付けをするようにしたが、上級生の中には反発する声もあった。ある部員は長尾監督とやりとりする野球ノートに、自分たちは1年時に苦しい思いをしたからこそ力が付いたと心境を吐露。一方の長尾監督は、実力が備わったのは本当に練習の準備や片づけに耐えたからだったのか問うた。長尾監督自身も率先して練習の準備などをする姿勢を見て、反発する選手は次第にいなくなっていた。

 トレーニングのメニューにも、大会直前を除けば学年による区別はない。美濃克尚選手(1年)は「先輩と練習をすることで学べることも多くある。力の差も確認できるし、試合に出られなくても納得できる」と話す。長尾監督も「全員が練習することで思ってもない選手が伸びてくることもある。競争意識も高まり、チーム全体の実力が底上げされる」と狙いを語る。

 学年の壁が低くなり、上級生もメリットを感じている。練習中は敬語が使われることは少なく、指示やプレーを評価する声は下級生からも飛ぶ。石丸圭佑選手(2年)は「下級生も遠慮せず指摘してくれるので助かっている。いい雰囲気で練習ができている」と話す。

 それでも「親しき仲にも礼儀ありです」と長尾監督。あいさつはもちろん、監督やコーチ、保護者らの前を横切る時は必ず「前失礼します」と声をかける。「礼儀は下の者が気を付けるのではなく、上にたつ者が尊敬される人間になるためにこそ重要。そういう姿勢を貫くことで自然と下の者が礼儀を身につけることができる」と語る。=つづく

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