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SUNDAY LIBRARY

上原 隆・評『償いの雪が降る』『なぜ人と人は支え合うのか』

誰かを支える自分自身はその誰かに支えられている

◆『償(つぐな)いの雪が降る』アレン・エスケンス/著 務台夏子/訳(創元推理文庫/税別1180円)

◆『なぜ人と人は支え合うのか 「障害」から考える』渡辺一史・著(ちくまプリマー新書/税別880円)

 私には甥(おい)と姪(めい)がいる。妹の子どもたちだ。子どもといっても30代と20代なのだけれど。姪のYさんはダウン症で、外見は小学生のようだ。言葉もハッキリと発音できない。が、いたって明るい。作業所に通っている。甥は家を出て理学療法士として介護老人保健施設で働いている。この仕事が自分に合っているという。Yさんとともに育ってきて身についた優しさが仕事に生かされているのだろう。

 アレン・エスケンス『償(つぐな)いの雪が降る』(務台夏子訳)はミステリーだ。大学生のジョーは授業の課題で、ある殺人犯を取材する。話をきくうちに冤罪(えんざい)を確信し、それを証明しようと行動するのだが……。謎解きがある。アクションもある。しかし、この小説の最大の魅力はジョーその人にある。彼の弟は自閉症で、兄弟は母子家庭で育った。母親は酒に溺れて暴力をふるう。ジョーは弟を守ってきた。大学に入ったの…

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