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岡崎 武志・評『1R1分34秒』『ヴィオラ母さん』ほか

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今週の新刊

◆『1R1分34秒』町屋良平・著(新潮社/税別1200円)

 芥川賞受賞作をすぐ読むなんて久しぶり。ロートル読者の私に理解できるだろうか、と危惧したが大丈夫。町屋良平『1R1分34秒』は読ませるし、表現としても新しい。さすが、だ。

 主人公は21歳のプロボクサー。デビュー戦を初回KOで飾りながら、その後敗けが込み、今度の試合に勝たねば引退か、というところまで追い込まれている。毎回、対戦相手をビデオなどで徹底研究し、「いつの間にやら親友」みたいになっている。

 パチンコ店でバイトしながらの悶々(もんもん)の日々を、著者は細密描写する。つねにイライラし、自分にもボクシングにも懐疑的。「不摂生なボクサーで平気だった。丁寧に生きる価値を、果していまの自分と世界のあいだで、結べるか?」と、種馬ロッキーも真っ青だ。

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