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社説

きょうから米朝会談 非核化のてこを手放すな

 米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による再会談が、きょうからベトナムのハノイで行われる。

     昨年6月の初会談では、朝鮮半島の完全な非核化という抽象的な合意にとどまった。今回は核開発の全容がどこまで開示され、実質的な非核化につなげられるかが焦点だ。

     昨年の会談後、米国は非核化に向けた工程表作成や核施設のリスト申告などに応じるよう求めてきたが、北朝鮮は拒否してきた。

     問題は、米国が北朝鮮の主張に一定の理解をしているように見えることだ。米国のポンペオ国務長官は経済制裁は維持するとしつつ、「できることはほかにもある」と見返りの提供を示唆した。

     北朝鮮は核開発の象徴的存在である寧辺(ニョンビョン)の核施設廃棄など部分的な措置で、制裁の一部解除を目指しているようだ。韓国では、米国が金剛山(クムガンサン)観光事業など南北経済協力の再開を容認するのではないかという期待感が高まっている。

     停滞する交渉を前進させるために柔軟姿勢を示すこともあるだろう。しかし、非核化に導くためのてこを安易に手放してはならない。

     トランプ氏は北朝鮮による核実験やミサイル発射が停止されている現状について「私たちは幸せだ」と語り、自らの実績だと強調している。実験の凍結だけで満足してしまっては、非核化には至らない。

     また今回は、朝鮮戦争の終戦宣言などを行うという見方がある。

     トランプ氏は前回会談後の記者会見で、国防長官との調整なしに米韓合同軍事演習を中止する意向を表明した。在韓米軍の将来的な撤退にも前向きな考えを示した。

     北東アジアの緊張が緩和するのは望ましいが、あくまで核問題で進展することが前提条件である。

     北朝鮮は現在も核開発を継続していると指摘されている。1990年代以降、実験凍結や核廃棄の合意をしては破棄する歴史を繰り返しており、非核化に応じないとの見方も根強い。金氏はこうした国際社会の疑念を払拭(ふっしょく)する責任がある。

     昨年4月には経済再建に注力する新方針を打ち出した。核を温存したままこれを実現するのは難しいことを認識すべきだ。

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