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くらしとつなぐ

伝わる「一人じゃない」=国立がん研究センター東病院 がん相談統括専門職 坂本はと恵

田中聡子さん(左)と、絵本作りのメンバーが所属する「キャンサーペアレンツ」代表理事の西口洋平さん

 最近、よく家族のことを思い出します。私の父は数年前にがんで旅立ちました。父ががんであることを知ったのは、旅立つ数カ月前でした。私が実家を離れてから20年近く経過していたとはいえ、事実を知った時の複雑な気持ちは、いまだにうまく言い表せません。

 家族にどう伝えるか。患者さんへの病名告知や家族への説明について2012年に全国調査したことがあります。その結果、患者さんへの病名の告知率は73・5%、「患者の意思確認とは別に必ず家族の意向を確認する」医師は60・9%でした。多くの方が病気の事実を知り、周囲に伝える時代になったものの、一部実現していない実態もあります。父のことを経て私は、伝えられない背景には、その家族のたどってきた歴史や文化が脈々と折り重なっており、一概に理想論で語れないものがあるからだと気づかされたように思います。

 病院の相談支援センターには、「子どもには自分の生活に集中してほしいから、病気のことは伝えていない。いつか自分が強く伝えるべきだと思えたら伝えたい。間違えていますか」という相談がたびたび寄せられています。私は「病気について伝えるのに遅すぎたり早すぎたりはない」「もし子どもから聞かれた時にうそはつかないことを大切に」とお伝えしつつ、子どもでも何度も読み返せるような、家族目線の本があれば紹介したいと思…

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