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社説

辺野古めぐる新状況 「唯一」の固定観念を正せ

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 米軍普天間飛行場の辺野古移設問題は、埋め立て反対が7割強を占めた県民投票を経て新たな状況に入った。これを受け安倍晋三首相と玉城デニー知事があすにも会談する。

     しかし、このまま互いの主張をぶつけ合うばかりでは、本土と沖縄の溝がさらに広がる深刻な状況に陥りかねない。この際、政府は「辺野古が唯一の選択肢」と有無を言わせない論理を改めるべきだ。

     現在の政府の主張では、移設先は辺野古しかないというのが軍事上の固定観念となっている。だが、どこに基地を置くかは軍事的要素だけで決まるものではない。候補地の歴史的・文化的背景や経済的な問題などさまざまな要素を考慮しなければならない。唯一の選択肢ということが現実にあろうはずがない。

     実際、沖縄に海兵隊を置くことが不可欠かどうかについては、米国内でも議論があった。中国の軍事的台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発を受け、むしろ日本側が駐留の継続を求めてきた側面がある。

     普天間飛行場を本土に移そうとすれば激しい反対運動に直面することが予想され、政治的なハードルは高い。それを避ける意図が「唯一」という言葉の裏に見え隠れするから、政府に対する沖縄の不信感が増幅されてきたのではないか。

     県民投票では、普天間飛行場の危険性を最も知る宜野湾市でも反対票が66%を占めた。普天間の危険除去を最優先するという政府の主張が信用されていない証左だろう。埋め立て予定海域で軟弱地盤が見つかったことにより、技術的にも早期移設の見通しは立たなくなっている。

     戦後長らく米軍統治下に置かれ、本土にあった米軍基地の多くが沖縄に集約されてきた歴史がある。そこで生じた不平等が固定化されるのは耐えられないというのが県民投票に込められた沖縄の訴えではないか。

     米軍に多くの特権を認めた日米地位協定の見直しなど、沖縄の不利益をなくすために努力する姿勢が政府には求められている。

     首相は「県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止める」と言いながら、工事を続行するのは矛盾している。

     まずは「唯一」の固定観念を正し、沖縄の不信感を解きほぐすところから始める必要がある。

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