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志賀直哉唯一の長編で、自伝的要素の強い小説「暗夜行路」は、広島県尾道市で草案が練られたとされる。主人公の謙作は一時期、尾道に移り住むが、直哉も作家として世に出る前にこの地で暮らしている。趣のある町並みを楽しみながら、冬の尾道を歩いた。【田中博子】
旅をした2月中旬は瀬戸内側でも積雪があるほど冷え込み、朝から灰色の厚い雲に覆われていた。謙作が東京から船と汽車で尾道にやって来るのも寒い冬の日。父親とは不仲で、結婚を申し込んだ相手ともうまくいかないなど人生に行き詰まった謙作は、「尾道はいいところだよ」という兄の勧めでしばらく滞在することを決める。観光名所として知られる千光寺がある山の中腹に家を借りるのだが、直哉も29歳からの約1年、同じ場所に居を構えた。現在は「志賀直哉旧居」として公開されている。
扉を開けると、受付にいた折川恵子さん(61)が笑顔で迎えてくれた。「尾道は戦災を逃れたので古い建物が多く残っています。この長屋も築130年ほどだと言われています」
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