メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

外交において常識的な行動や事態から逸脱した出来事を…

[PR]

 外交において常識的な行動や事態から逸脱した出来事を「外交的インシデント(事件)」という。首脳の会談において合意にいたらず、予定されていた昼食会がキャンセルされるような事態はそれにあたるだろう▲およそ首脳同士の会談とあらば、事前に事務方が合意を整えて「失敗」などありえないかたちで行われるのが外交の常識である。だがそこはトランプ米大統領、北朝鮮の金正恩党委員長というトップダウンが売りの2人の対決である▲事前には「成功ありき」といわれたハノイの米朝首脳会談だった。国内でロシア疑惑をめぐる元側近の暴露証言で窮地に立つトランプ氏である。北の非核化を事実上断念しても、会談の成功をアピールしはしまいかと懸念されていた▲だが会談後に記者会見したトランプ氏は、非核化について北と合意できなかったが、今後とも交渉を継続することを表明した。北が実効的な非核化の段取りを示していない以上、その求める制裁緩和がありえないのは当然だったろう▲北への軟化発言を重ねていたトランプ氏だっただけに、北側も米国の思惑を読み違えたのだろうか。しかし非核化を約束しながら、見返りの経済支援で核開発を進めてきた過去は誰も忘れていない。逆戻りしても先の展望は開けまい▲ディール(取引)の名人を自負するトランプ氏には織り込みずみの「外交的インシデント」なのかもしれない。ただしこの「名人」、足元についた疑惑の火が「次の一手」を許すのかどうかは微妙である。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ORICON NEWS 伊藤健太郎“ほぼ裸”のポスタービジュアル掲載に照れ「ぜひ、やめていただきたい!」

  2. 鳥取県教委、部活遠征で教員83人処分 生徒をマイカーに 実態に合わずの声も

  3. アメリカを歩く 大統領選後も残る「トランプなるもの」 ある支持者が語った正しさへの憎しみ

  4. 「政府があらゆる記録を残すのは当然」 菅首相の新書から消えた言葉の重み

  5. 選手村マンション オリンピック延期で無人でも夜に照明 電気代どこから?

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです