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科学取材の経験が豊富な青野由利専門編集委員のコラム。

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胎児、やるじゃん=青野由利

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 「お母さんの体に胎児を介してお父さんのDNAが入っているんです」。長崎大学病院長で産婦人科医の増崎英明さんの言葉に、ええっ?と思った。

 ノンフィクションライターの最相(さいしょう)葉月さんが増崎さんにインタビューした近著「胎児のはなし」(ミシマ社)に出てくる意外な話。2人が登壇した先月のトークイベントでも聴衆は興味津々だった。でも冷静に考えるとおっしゃる通り。理屈はこうだ。

 妊婦の血液中には胎児のDNA断片が流れている。1990年代の発見で、血中を漂う全DNAの1割。ではその構成は? 当然、母親と父親から半分ずつ受け継いでいる。だから「父親のDNAも流れている」というわけだ。

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