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エンタメ小説・今月の推し!

居心地悪い近未来 古さの中に現代性

 いつもほんの少し先の未来を描く藤井太洋さんの新作『東京の子』(角川書店)は、東京オリンピック・パラリンピックを終えて3年後の東京が舞台。主人公の仮部諫牟(かりべいさむ)は育児放棄した親と縁を切るため名前を変えて、雑駁(ざっぱく)な近未来を生きている。虐待は珍しくない時代設定なのだろう。出自に悩むのは今回は関係ないとばかりに受け流し、低温な語り口で物語は進む。しかし、あらゆる障害物を越えていく「パルクール」という身体動作を得意とする仮部が動き始めたとたん、リズムとスピードの渦が生まれる。

 仮部の仕事は、いなくなった外国人を捜して職場に連れ戻すこと。ある日、ベトナム料理チェーン店オーナーの依頼で失踪したファムを捜すことに。彼女は働きながら学ぶ新しい大学校「東京デュアル」にある支店のコックだった。東京デュアルを経営する人材派遣会社は、労働の流動化を進めようとしていた。ファムがその制度の実情を告発する中、大規模デモが勃発する。

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