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余録

平安時代の随筆、枕草子の「うつくしきもの」のひとつに…

 平安時代の随筆、枕草子の「うつくしきもの」のひとつに「雛(ひいな)の調度」がある。紙で折った小さなひな人形もかわいいと心を寄せた清少納言だが、これを使った「雛遊び」は当時、上流階級の子女が興じる「お姫さまごっこ」だった▲それが庶民にも広がるようになったのは江戸時代からという。平安の長編小説、源氏物語にも出てくる流しびなが結びついたというのが定説だ。人形を海に流して厄払いし、女児を災いから守る祈願としたのが始まりといわれる▲3月3日はひな祭り。いまや「ガールズデー」とも呼ばれ、五目ちらしやハマグリの吸い物といった定番メニューも、最近ではお膳やケーキなど「おひなさま」限定グルメが続々と登場する▲成長と幸福を祈る節句の行事だからにぎやかなのはもちろんいいが、現実に目を向ければ、子どもに降りかかる災いは深刻だ。女児の虐待死を受けて、政府は虐待防止に向けた改正法案を準備している▲親の体罰禁止とともに「子どもの権利擁護」を明記することが検討されている。子どもが意見を言う機会を権利として保障するものだという。発せられたSOSが何度も見落とされた教訓を生かす法案にすべきだ▲ひな人形の「美しさ」に魅せられ、公邸にひな段を飾ったキャロライン・ケネディ前駐日米大使がメッセージを残している。「女の子が自分の夢はなんでもかなうと思えるのはすばらしい」。健やかに成長し、希望をかなえることができる環境を整える責任は、大人たちにある。

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