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社説

インド・パキスタンの衝突 核保有国の対立を危ぶむ

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 インドとパキスタンが再び軍事的に緊張している。両国はともに核兵器を保有する国である。衝突がこれ以上エスカレートしないよう、互いに自制すべきだ。

     双方が領有権を主張するカシミール地方で先月中旬、インドの治安部隊に、パキスタンを拠点とするイスラム過激派が攻撃したのがきっかけだった。両国はその後、互いに空爆したり、相手軍機を撃墜したりするなど、報復合戦に発展している。

     カシミールは1947年の印パ分離独立以来の係争地である。この地を原因に第1次印パ戦争は起き、第2次、3次戦争でも戦場となった。ここ数年、断続的な銃撃戦などは起きていたが、今回のように双方の空軍機が出動する事態になるのは異例という。非常に危険な兆候だ。

     強硬姿勢を見せる両国には、互いに引くに引けない理由があるようだ。インドのモディ政権は4~5月の総選挙を控え、与党が劣勢とされる中、世論から弱腰対応を批判されたくない。

     一方、パキスタンのカーン政権は軍部に近く、軍内部の強硬論を無視できない。発足後、半年しかたっておらず、反インドの世論にも配慮せざるを得ない。

     ただし、双方とも全面衝突などは望んでいないはずだ。国内向けの意地の張り合いで緊張をエスカレートさせるのは、あまりにも危険ではないか。

     両国は「抑止力」の名の下に核開発を競い合ってきた。特にパキスタンがインドによる越境攻撃に備え、戦術核ミサイルの開発に力を入れてきた話は有名だ。衝突の泥沼化が偶発的な死傷者を招き、その報復として核の応酬へと発展しないとは誰も言い切れまい。

     パキスタンが拘束していたインドのパイロットを解放したことが、緊張緩和の一助になればよいが、対立と衝突の行方は予断を許さない。

     国際社会は本腰を入れて連携し、自制を促すべきだ。米国や中国は既に、印パ双方に対し、対話や事態悪化の回避を求めている。グテレス国連事務総長も仲裁する構えを見せている。日本政府も関与を強めていくべきだろう。

     最悪の事態を想定させるような紛争は一刻も早く止めるべきだ。

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