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十二支の亥(い)に当てはめられ、古くから人間との関わりが深いイノシシ。近年は、野生の個体が人間の生活圏に出没しては農業被害や交通事故などを引き起こし、“害獣”の印象がつきまとう。そもそも、イノシシとはどんな動物なのか。
●走れば時速40キロ
「思っていたよりも大きいな」「鼻の力が半端ない」。多摩動物公園(東京都日野市)で、ニホンイノシシのキントン(メス)を見ていた数人の男子高校生が思わず声を上げた。餌の時間になると、キントンはイノシシ舎内を動き回って飼育員が置いた食べ物を探し出す。倒木をいともたやすく鼻で押しのけて、餌にたどり着くと鋭い犬歯でリンゴ類をかみ砕いてのみこんでいく。体長は1・3メートル以上。間近で見ると迫力がある。
日本に生息する野生のイノシシは本州、四国、九州に分布するニホンイノシシと、南西諸島に分布するリュウキュウイノシシの2亜種に分類される。植物を中心とした雑食でずんぐりとした体形に似合わず疾走すれば時速40キロを超える。メスは毎年4~5頭を産むため、繁殖力が高いのも特徴だ。
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