SUNDAY LIBRARY

岡崎 武志・評『9つの脳の不思議な物語』『歌詞集 月のしずく』ほか

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今週の新刊

◆『9つの脳の不思議な物語』ヘレン・トムスン/著(文藝春秋/税別1950円)

 握りこぶし二つ分ぐらいの大きさである「脳」に、宇宙に比す無限の謎と不思議がある。ヘレン・トムスン『9つの脳の不思議な物語』(仁木めぐみ訳)は、そのことを証明してくれる。

 医学部出身の科学ジャーナリストで、ずっと脳に興味を持ち続けた著者は、世界中の奇妙な脳の持ち主を取材して回った。きっかけは、命令されたことに必ず従ってしまう人たちを知ったこと。「ナイフを投げろと言われればナイフを投げる」というのだ。

 その他、生後9カ月より、これまでの人生のすべてを記憶している男。自宅のトイレからキッチンへ行こうとして迷子になる女性。荒くれた人生だったのが、動脈瘤(りゅう)破裂の手術後、虫も殺せない人になった等々、不思議すぎる脳たちが、次々と登場してくる。

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