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記者の目

東日本大震災8年 家への思い 心の痛み・教訓、共有を=宮崎稔樹(福島支局)

故郷の自宅前で「この家を壊すことは絶対にあっちゃならねえ」と話す天野茂さん。屋根は三州瓦で名古屋まで探しに行ったと教えてくれた=福島県浪江町小野田で2018年11月25日、宮崎稔樹撮影

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から間もなく8年になる。私は2014年4月に新人記者として福島に赴任し、故郷から避難を強いられた人々や津波遺族を取材してきた。5年間被災地に身を置いて感じるのは、あの日からどれだけ時間が過ぎようとも、心に痛みを抱えて生きる人の姿や震災の教訓を社会で共有することの大切さだ。

 先月11日、東京から福島を目指し、沿岸部に抜ける国道6号を車で北上した。被災地から離れるほど震災への関心が薄れている気がして、東京とのつながりを感じたかったからだ。東京スカイツリーや横断歩道を渡る多くの人たちの風景から始まり、その後はコンビニやファミレスが道路沿いに並んだ。だが、福島県内の避難指示区域に入ると雰囲気がガラリと変わる。建物に明かりはなく、国道沿いの住宅や枝道には柵が設けられている。同じ一本の道の上なのに、都会の騒がしさとの違いが強く胸に残った。「福島の何を伝えてきたか」と自分自身に問いかけた。

 この1年で最も力を入れたのは「家」をテーマにした取材だった。原発被災地では、住まなくなった家屋の解体が進み、空き地が増えている。重機が家の外壁を壊す工事音が日常的に響き、がれきを積んだトラックが国道を走る。それらの一つ一つに家族の歴史があると思うと、原発事故の罪深さが際立って見えた。

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