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女の気持ち

空襲に消えた父 埼玉県入間市・中村元子(主婦・85歳)

 隣の玄関先で、いつもすがすがしく水を打つご主人の姿を見ると、亡き父を思い出す。

 我が家は戦時中、運送業を営んでいた。早朝、大八車を引き白々と明けゆく大地に消えていく父。脚半を巻いた、そのりりしい姿が好きだった。

 父は身支度をする前に玄関に水を打ち、6人の子どもたちの履物をそろえるのが日課だった。身支度をしながら口ずさむ歌は「青葉茂れる桜井の」で始まる大楠公(だいなんこう)の「桜井の訣別(けつべつ)」という歌だった。折に触れ父が口ずさんでいたこの歌を、私は今でもふと思い出すのだ。

 深夜、父が大八車を引いて帰ってくると、目を開けて待っていた私は布団を抜け出して玄関まで下りていった…

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